Forager 感想。自動化とほどよいインフレのもたらす面白さ。

今回紹介するのは Forager だ。
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どんなゲームか

Forager は2Dpixel調のグラフィックスが特徴の放置系クラフトゲームだ。
プレイヤーはとある小島から開始し、持たされたボロいピッケルとカバンを担ぎ資源を集めながら建築、資金集め、エリア拡張といったルーチンを続け、
やがては大きな島々を管理するようになる。

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特にこれといったストーリーはなく、系譜としては Terraria や Stardew Valley に近いが、ゲームとしてはまるっきり違うと言っていいだろう。
先述したクラフトだけでなくダンジョン探索、経験値を集めてレベルアップによるスキル獲得、そしてなにより「放置系」というところだ。
この放置に関しては後述するとして、まず基本的なことから説明するとしよう。
他クラフトゲームと同様に、このゲームではまず建築するための資源が必要になる。そこで初期から渡されているピッケルで木や石、鉱石を叩いて資源を集める。
集めた資源をもとに色々と建造物を作るのだが、Forager では所謂「自宅」を作る必要がない。クリーパーやゾンビのように怯えて夜を過ごす脅威はほどんどない。
「住む」ために作るのではなく、「より作る効率を上げる」ために作るゲームだと考えた方がいいだろう。
また、資源の中からコインを製造することで通貨が手に入り、そこからいけるフィールドが拡張される。
これにより、より資源を集める場所が増えたり、ダンジョンが出てきたり、サブクエストが発生したりもする。島は値段が決まっているが、どれを買うかはお好みだ。
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そして他のクラフトゲームと同様に、空腹の概念がある。だがこちらも微々たる問題だ。当然序盤も序盤では食べ物の少なさに少々ひやひやするが、開始して1時間もすれば問題ではなくなる。

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空腹時には逐一報告してくれる。これはありがたい……。

ここまで書けばわかるかもしれないが、割と難易度は緩めに作ってある。効率化が進めばほぼ緊張するようなことはなくなってしまうゲームではあるが、逆に言えばだらだらとやりたい人には向いているゲームということでもあるだろう。

採掘ロッド?ダメだ!そんなビルド!強すぎる!ぶっ壊れだ!

この要素について某B氏が語るとしたらそんなことをいうかもしれない――――。
そんな冗談はさておき、このゲームが「放置系」といわれ要因となっている理由について説明していこう。
このゲームは先述したようにレベルアップによってスキルが解放される。スキルの系統は大きく分けて4つだ。
この系統に関しては「加工系」「生産系」「経済系」「魔法系」と分けられる。
そしてこの科学系のスキルの中で、「採掘ロッドのアンロック」というスキルがある。これが原因だ。
採掘ロッドはフィールドに置くと指定の範囲内の鉱物、植物、樹木に攻撃し、採掘を行う仕様になっている。また、破壊して出てきた資源は自動的にプレイヤーのバックパックに回収される。
そう、つまりプレイヤーが手を動かしてやるべき作業の内の5割ほどを勝手に行っちゃってくれるのだ。
勿論、生物系への攻撃はしない仕様のため、そこは問題ないが、それでもさらに進めていくとプレイヤーに追尾してある程度のことをしてくれる「ドロイド」や敵を認知し攻撃する「バリスタ」がこれらの作業すら持っていく。

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もうこいつに全部任せたらいいんじゃないかな。というよりもう大体任せてるね……。

プレイヤーに残されたのはほぼ地面を掘ってのみ出てくる砂や、栽培用の種植え、あとは集まった資源を用いてのクラフトの割り振り位となる。
これは明らかに意図された仕様と分かるのは、勿論公式の宣伝でそう銘打っているというのもあるが、自動化出来ない地面堀りの資源である砂は、ガラスを作るのに多く要る資源だからだ。
そしてこのガラスも多くのものを作るのに必要とするため、結果的に自動化しても手を動かす必要が100%なくなるわけではないということだ。
とはいえ自動化で大体の作業が必ず手を動かすことが要るわけではなくなるのも事実なので、中盤からインフレしてくるゲームということだ。
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右の欄は何もしていないのに勝手に採掘が進んでいく様だ。

あと、これは余談なのだが、プレイするときになるべく効果音は下げておいた方がいい。進むと「あーちょっと激しくなってきた(笑)」、「音が鳴りやまない……。」、「うるさい!!!!」と変遷していった筆者からの忠告だ。

でも、時間は飛んでいく……。

自動化のこともあり、当然やらなくてもいいことも増えていく。それでもやはり手を休める暇などないというほどにどんどん採掘も栽培も進んでいくので時間がどんどん吸われていくことは間違いないだろう。
なにせこのゲームは自動化前提なのか、ありとあらゆるもののリポップが速い。また、それを促すかのようなスキルやアクセサリーすらあるほどだ。
また、多少のダンジョン探索や謎解き要素もあるため、時間はどんどん吸われていく。一方で、不便と感じる要素やもう少し高い拡張性が欲しいと思う点もある。
特に栽培なんかは、ワンクリックで一気に大きな範囲に種を蒔くスキルがないため、いちいち1マスごとに埋めていかないといけないのはどうにかしてほしいと思ってしまう。
また、先述したようにインフレがあるため、20時間ほどで目標がなくなってしまう恐れがある。なので、よりたくさん遊ばせてほしいと思う点もある。しかし、この点に関してはなんだかんだカジュアルな段階のゲームでとどめたいという意志も公式紹介文等から感じられなくもないのでカジュアルなままでもいい気がするのも確かだろう。

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インディーゲームの作者で自分の作品に出たがる人は度々いるが、ゲーム開始前とゲーム内で2度自己主張してくる人もそうそういない。

ともあれ「気が付いたら時間が吹っ飛んでいる」系のゲームであり、楽しいということは間違いないので是非プレイしてみてほしい。
そんなこんなで、Forager でした。