Re:TrymenT 感想。 もう一度やり直してみたいならあなたはどうするか。【OutlinE】

また久しぶりになってしまった…。
今度は4か月近く空いたのか。各月と思ってやってたのにやっちまいました。
さて、今回ご紹介するのは『Re:TrymenT』です。
今回は豪華二本立て!そのうちのネタバレなし紹介部分となります。
また、この記事には前身の作品である『Re:LieF』 についても多少語られています。

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御雲島にて再び新たな一歩を

『Re:TrymenT』 は、現代社会からは隔絶された御雲島という舞台で、登場人物たちがどのように過ごしていくかを記したビジュアルノベルゲームだ。
本作の重要人物である星乃あやめは、事故によって脊髄を損傷し、車椅子生活を余儀なくされている女性である。
あやめは「トライメント計画」という若年者再就職支援プログラムとされている計画に参加し、それをきっかけに今の自分を変えたいと思っている。
トライメント計画では、1年間御雲島にて他の参加者と一緒に共同生活を送るというものだ。文字通り「もう一度やり直し」のプログラム。
そこであやめは色々な参加者と知り合い、どのような体験をしてこの計画を終えるのかを見る作品となっている。
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計画の参加者たちによって繰り広げられる群像劇

上記したトライメント計画では、あやめのほかに様々な登場人物が出てくる。
詳しくは公式サイトのキャラクターから確認できるが、その中でも上記したあやめのルームメイトとなった君島翔を一例として紹介しよう。彼女はあやめに次ぐ重要な人物といって差し支えない。
君島翔は漫画家だが今は活動休止中。今後どうするかを求めてこのトライメント計画に参加した人物だ。
翔は非常に友好的で快活なキャラであり、一見するとトライメント計画に参加しなくても問題なくやっていけそうな人物にすら見えるのだ。
参加した理由がどことなく似ているあやめと翔が、互いに良い影響を及ぼし合っていき、どういう結果につながるかも本作の見どころだろう。
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翔以外にも様々なキャラクターが出てくるが、そこはぜひ本編にて確認してほしいところだ。
ではこのキャラクターたちがトライメント計画で何をしていくか。それは來夢学園という学園で1年間生活し、各々が学習したい学問・資格、あるいはスキル等を身に付け再出発を果たすというものだ。
ただひとつこの來夢学園に、トライメント計画に参加する人間にとって共通していることは、なにかしら人生でやり直したいことや試したいことがある人間が集まっているということだろう。
衣食住に不自由しなくて学習空間も充実、コミュニケーションするにも困らない、自身のやりたいことを再スタートのきっかけにできる。
そんな楽園とすら言える環境でどう彼ら彼女らが過ごしていくかも楽しみの一つだろう。
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もう一人の重要人物、新田司

星乃あやめが中心人物と上記したが、もう一人この作品を語るうえで必要な存在がいる。それが新田司という人物だ。
彼は上記した君島翔と同様に一見なんでも卒なくこなし、まるで弱点などないかのように見える優等生らしい優等生だ。
だが彼にはトライメント計画に参加するまでの記憶が一切なくなっている。
彼の過去には何があったか、彼は一体何者なのかを紐解いていくのも本作のキモだ。
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なぜこの新田司という人物が重要なのか。それは本作に出てくる白い髪の少女ととある関わりを持ち、
そして前身となった作品である『Re:LieF』の主人公でもあったからだ。
『Re:LieF』もさほど 『Re:TrymenT』と舞台も設定も変わりはないが、大きく分けるのは『Re:LieF』が新田司(+ヒロイン)が主観となって物語が進むゲームだったのに対し、
『Re:TrymenT』は星乃あやめと新田司が中心となって物語が進んでいくスタイルとなっている。
前者は「主観」がキーで、R18作品であるがゆえに取られた文法であると言える。年齢の対象が対象なだけに、「そういった」シーンも出てくる。そのため、主人公である新田司が主観でないとシーンの整合性やナレーションの挿入がやりづらくなるが故のやり方だろう。
逆に言えば、その主観の入れ替わりを上手く使った演出もあるのだが…そこは『Re:LieF』もやってみるしかないだろう。
一方で後者は、常に第三者の視点に立ちトライメント計画参加者の行く末を見守るゲームだ。
個別ルートといったものが存在しないがために中心を一人にする必要はなくなったせいか、こういう仕組みとなったのだろう。
キャラクターの心情を事細かに書くことより、台詞として言わせるか心情が読み取れるような動作を文として記すことを増やした。
本来個別ルートにてわかる『Re:LieF』組のキャラがそういった再配置をされたことで、多少キャラの堀り下げが『Re:LieF』をプレイしたことによって若干物足りないと気づいたりする部分もあるが
その分物語の設定補強等に比重を回しているようにも感じるし、『Re:TrymenT』プレイだけでは気づきにくいレベルにまで落とし込めているといえるので問題ないともいえるのが今作だ。
話がそれてしまったが、『Re:LieF』『Re:TrymenT』 両方で重要な役割を果たすこの新田司という人物が、両作品で文法が変わったことで当然彼の立ち回りも大なり小なり変わった。
『Re:LieF』をやった人もそうでない人も、彼の立ち回りには要チェックだろう。

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『Re:LieF』にてヒロインをつとめたお二人。

大人になった今だからこそ

『Re:TrymenT』はキャラの格好こそ10代のそれであるが、ほとんどのキャラは20代以上である。
誰しもがみな新たなスタートを求めて計画に参加しているのだ。
それは大人になり職に就いた今だからこそ、求めるものがある人も現実にはいるはずだ。もう一度やり直せるならと。
大人になったと認識したうえで学園生活を送る、なんて設定なので各キャラの話すことには共感を覚えることもあるのだ。 だからこそこの『Re:TrymenT』で、感じるものが少なくとも筆者にはあった。
大人になった今、大人になった彼らが制服に身を包み、どのようにやり直すのか、どんな風に変わっていくのか見ていくことも楽しさの一つだ。
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最後に

『Re:TrymenT』は、分作となっている。
今作はAlphA編、いわば前編だ。後編であるOmegA編は後日リリース。
『Re:LieF』からキャラ総数を増やし、役割も再配置したことで大幅に変更のあったキャラもあり、
また『Re:LieF』にはない展開も『Re:TrymenT』には多く存在する。ほぼ作り直しといっていいレベルだ。
しかし、それ故に大筋のストーリーの難解さを引き上げる要因にもなっている点があり、そういったのを上手いこと整理できるのかという懸念もある。 そのうえ新たに出て解消されていない疑問、発見等をOmegA編で解決できるかというのがポイントになるだろう。
そんなこんな久しぶりに書いたからちゃんと書けてるのかすらわからん記事でした
SpoileR版に続く。
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