The Spiral Scouts感想。よこしまでもいい、童心にかえりたいあなたに

今回紹介するのはThe Spiral Scoutsだ。

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どんなゲームか

The Spiral Scoutsは、見た目はかわいくてとてもポップな感じのアドベンチャーゲームだ。
名もない主人公はいきなり謎の真っ白な空間に飛ばされる。そこで謎解きをし、ワープした場所で待っていたのは変なおっさんが騎士と言い争っている最中だった。
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変なおっさんの名前はメェ。彼は道をふさいでいる騎士たちに困り果てているようで、そこでも主人公は軽い謎解きをし、道を空けてやる。
そうして進んでいくうちに、主人公はメェという男の所属する「スパイラル・スカウト」という組織のような職業のようなよくわからないものに誘われる。
自分が何者なのかもわかっていない主人公はとりあえずスパイラルスカウトになることでなにか状況が良くなるかもしれないと思い入ることにする。そこで主人公はレメイという名前をもらうことになる。
また、スカウトになるためには試練を乗り越える必要があり、ポータルを通り試練に挑むことになる。
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察しの言い方はわかるだろうが、ようはこのゲームは軽いノリでストーリーが突き進んでいくパズルギミックが豊富なアドベンチャーゲームというわけだ。
まあその「軽さ」はひどくて笑うレベルなのだが、そこは後述していこう。
スカウトになった主人公はそこでアイモックという精霊のようなクマに出会う。彼が言うには世界に封印されているものたちを救い、「とある祭事」に間に合わせてほしいというのだ。
各世界のバッジを集めることで救われるらしく、レメイはバッジを集めて世界を救う?旅に発つこととなる。

3+1の世界を行き来する

このゲームは大きく分けて4つ、ただし大体は3つのスパイラルと呼ばれる世界を行き来するゲームだ。
生命のスパイラル、死のスパイラル、混沌のスパイラルとある。
各スパイラルにはそれぞれハッジがあり、スパイラルごとにそれぞれ個性的すぎるキャラクターが出てくる。
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上のスクショはまだ優しい部類なので、ぜひプレイしてどんなやつらがいるのはを確かめてみてほしい。
基本的に彼らはなにかに困っている。その彼らの手助けをしてあげるとバッジが貰える。サブクエとその報酬みたいな関係と思えばいいだろう。
また、3つの世界があるといっても例えば「この世界で手に入れたアイテムは実は違う世界で使うアイテムなんだ」みたいなことはない。
基本的に謎解きはその世界で完結するようにできているのでそこは筆者が安心した部分だ。
ただし、それに合わせてなのか、謎解きには楽なのもあればかなり難しくノーヒントなものもたまにある。ノーヒントといっても「こういうパズルがあるよ。じゃあこれがどういうパズルなのかまずちゃんと考えて、そのうえで解いてね」
みたいなものだ。要は発想力がより必要になるというわけだ。基本的にパズルが分からない場合に対する救済措置はないので、無理だと思ったら諦めてネットで調べるのも一つの手だ。
ただし、基本的に日本語での攻略サイトのようなものはないのでそこはご注意を。

全員ぶっ飛んでるよ!アンタら!

The Spiral Scoutsは一見するとキュートでポップでカラフル、パズル要素もいかにも!なアドベンチャーゲームでしかないように見える。
だがこのゲームをプレイし終えた感想からいうと、見た目に騙されるなとしか言いようがない。
その位このゲームの世界、というかテキストはぶっ飛んでいるのだ。
例えば上述したように、序盤で道を開けるために騎士をどかす必要があるのだが、どうするかというと(パズルの答えを書いてしまい申し訳ないが)近くにある 「Sweet But Nut(日本語化MODでは甘いケツの実)」をとり、それを食べておならをして騎士をどかすとかいう非常にあほくさいものだ。
こんなのはまだ序の口で、プレイしていくとどんどん各スパイラルの住人のぶっ飛び具合がわかっていき、笑いが止まらなくなる。それも大概おっさんが居酒屋で飲みながら考えたようなものばかりだ。
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こういうと下品!不潔!親指を下に!みたいな風な評価をしていると思われてしまうだろうが、むしろ逆だ。このゲームはこの「くだらなさ」を徹底している。
ときに貴重なまじめに話すキャラがいればむしろ主人公であるレメイの方から、お前はサイコパスかと言いたくなるような台詞が飛び出てくる。そう、主人公もまともとは思わない方がいいのだ。
この時には狂気すら孕んでいるんじゃないかというような下ネタだったりそうじゃなくても何を言ってるんだお前はみたいなテキストが湯水のごとく湧き出てくるこのゲームは、ある種の童心を蘇らせてくれたりする。
「お○○い」だの「おけつ」だので連呼するだけでギャハハーとやっていたような子供の気持ちを彷彿とさせるのだ。まあ、サイテー!という女子がいないように、このゲームにはどこかツッコミ役が不足しているのは難儀だが。
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ともかく、酒は必須かもしれないし、そんな下品なネタがわんさか出てくるゲームは受け入れられないという人でなければ問題ないとは思うゲームだ。

最後に待ち受けるはなにか?

パズルを乗り越え、バッジを集め、数々の下品なネタをくぐり抜けてたどり着いた先になにがあるのかは、是非プレイして確かめることをおすすめする。
ただし、主人公レメイの正体が結局何なのか、バッジを集めて封印を解除させてどうしたいのか。
このゲームをあらかた進めれば、オチは「なんなのか」は見えなくとも、「どういう方向で落ち着かせる気なのか」は、必ず見えるはずだ。
そして、その結末にあったリアクションをしてもらいたいものだ、というのがこのゲームをプレイしおえて思ったことだ。
ちなみに筆者はこのゲームを日本語化MODでプレイした。
その後原文と比べてみたりもしたが、多少の日本語に合わせたかなりの意訳だったり、スラングに曲げるようなことをしてはいるものの、おおむね世界観に合わせているから問題ないという部分だけなので
そこまで気にする必要はないと思われる。
日本語化MODはストアページからたしか導入手順ページのような場所に飛べたはずなので、試してみるのもいいだろう。
そんな色々と問題はありつつもパズル部分はしっかりしているThe Spiral Scouts、一度買ってみるのはいかがだろうか。