High Hell レビュー。 奇妙なアーケードスタイル・シューター

今回ご紹介するのは High Hell だ。
f:id:pado2donpan:20171112154212p:plain

www.youtube.com

ゲーム内容

High Hellは、面クリア型のシングル FPS だ。
公式曰く「アーケードスタイル・アクション FPS」とらしいが、その紹介の通りリプレイの速さと自分の脆さ、そして敵の手ごわさ、スコアアタック、周回プレイといいそういった要素が詰まった作品となっている。
f:id:pado2donpan:20171112155433p:plain
ではその要素を紐解いていこう。

1周するのには問題ない難易度

リプレイが早いということもあり、基本的に自機は4,5発ほど被弾すると死亡となる。だが敵を倒すと基本的には少し体力ゲージが回復する仕組みとなっていて、マップの中には回復アイテムが落ちているものもある。
また、敵は雑魚的なら1発、ガトリングのようなものを持っている敵は5発くらいで倒せる形となっている。
慎重に、少しずつ進めば1周クリアするのにそこまで問題ではない難易度であると感じた。
f:id:pado2donpan:20171112160118p:plain
それと、ステージ5つ毎くらいのペースでボス戦が設けられており、ボス戦に関してはノーヒントで投げ込まれるものもあってか初見のうちは苦労するだろう。
1周もそこまで長いわけではないためリプレイ性が高く、いい塩梅の難易度だと感じた。だが、このゲームにはスコアアタック要素もあり、それを極めようとするとかなり変わってくる。それを説明していこう。

ストイックである所以

このゲームには先述したようにスコアアタックの要素がある。それは主にクリアタイム、収集アイテム、サブミッション達成率、精度といった要素で決まる。 f:id:pado2donpan:20171112154733p:plain
精度はおそらく銃の命中率のことだ。主人公のアクションは射撃、ジャンプ、かがむ、蹴りの4つで基本は成るがそのうちの射撃でいかに外すことなく敵を倒すかだ。
これは実際にやってみないとわからないことではあるのだが、ステージの中には集中砲火を食らいそうになる場面が少なからずある。なのでそういった中でいかに混乱せず確実に倒せるかが非常に求められるので、スコアを意識しだすと難しさも変わってくるだろう。
逆にこうスコアを意識させるならスコアランクとかもあってもよかったのではと少し思うが。

トレーラーとの差異、そして奇妙さ

このゲーム、トレーラーを見て、トレーラーの BGM などで Hotline miami を感じたものは少なからずいるのではないだろうか。パブリッシャーが Devolver ということもある。
実際、私はそう感じたのだが蓋を開けてみればそれは違った。
血が流れることもなければ敵の部位が弾け飛ぶこともない。BGM も確かにいい曲だとは思うものの、Miami のように暴力による興奮が現れるようなものでもない。暴力を行使するゲームではない、公式が言う様にアーケード・アクション FPS の位置に留まったままだ。
一方で、要素の端々からなにか別の狂気を感じたのも確かだ。 各ステージのロード中に流れる意味不明なクリック・ゲーム、奇妙さだらけのサブミッション…恐怖さえ覚えるほどだ。
f:id:pado2donpan:20171112162615p:plain
f:id:pado2donpan:20171112162639p:plain
シュールなどといった言葉で片付けてもいいが、このゲームが何を伝えたかったのはわからないままなので不気味で仕方ない。
システムがストイックなゲームときたら猶更だ。
だが一方で、こういったフレーバーがこの奇妙さをプレイヤーに残したいがためにあるのだとしたら、それは成功だといわざるを得ないだろう。

最後に

ともあれ、High Hell はこういったゲームなので、トレーラーとはある意味違うものではある。
一方で、このビジュアルになにか惹かれるものがあるなら買ってみてもいいのではないだろうか。
敵を撃ちまくり、蹴り飛ばせ。