前回に引き続き。『Re:TrymenT』です。
今回は豪華二本立て!そのうちのネタバレあり感想となります。
また、この記事には前身の作品である『Re:LieF』 についても結構語られています。
前回のOutlinEよりも、変な書き方になるのでご注意ください。
ネタバレだめならブラウザバックをお願いします。
ミスリードを誘う年隠しとタイムジャンプでのシーン映し
プレイした方は、このゲーム『Re:LieF』やってからプレイしましたか?
筆者はやらずにプレイしました(『Re:TrymenT』クリアしてからやりました)。そのうえで思うんですが、これ新田司たちと星乃あやめたちの計画参加年分かれてるって最初のうちに気づくのそうそういないだろって事です。
なんか年隠してるの露骨になにかのミスリード狙ってますな?とは思ってたのですがこんなん気づくかい!と。クラス別々のやつらなだけかと最初思いましたね。
この年隠しと時系列の行き戻りがストーリー読解の難解さを大なり小なり生んでる気がすると思っているんですよね……。
なんなら最初のあやめと翔の立会いは二人とも本名でなく早乙女・甘利呼びでしたし、ここからいきなり違う人物(=元の君島翔)に戻ってることからも時系列は更に謎に深まります。
でもだからこそ、『Re:LieF』組と『Re:TrymenT』新規組がどのように邂逅するのか、楽しみで仕方ありません。
ただし司とあやめだけ先に会っている。ここら辺も謎のままですね。あやめは御雲島、つまりコールドスリープへと戻るようなことが「卒業」 後あったはず……ということですかね。
あやめちゃんの未来も前途多難なのか……?それとも司を助けるためにユウがあやめの意識だけバックアップしたのを司の年に戻したとかあたりでしょうか。
答え合わせが気になります。
トライメント計画、そして参加者
プレイした人ならもうわかると思いますが、トライメント計画の目的は「新たな時代を切り開き、社会問題を最適化する仕組みを作ること」ですね。
そして、最適化を効率よくするためには事前に適性試験を受け、それに受かったもの―――つまり、公社の求める人材ということでもあります。
学校は社会の縮図とはよく言ったものですが、公社とユウは御雲島と來夢学園という舞台で、小さな社会モデルを仮想空間上とはいえ作り上げました。
計画の参加者は主に社会からなにかしらの理由でドロップアウトしてしまった人たちです。ですが参加者の誰もが自ら進んでそうなったわけではありません。あやめのように事故、精神的に追い詰められ…といった人もいるでしょう。翔も鬱病を疑われていました。そういった彼ら彼女らに与えられた空間はまさに楽園です。
ただ、彼らが計画に参加できたのは、そういった個々の事情を汲み取っただけでなく、本作品のテーマにもなっている「今を変えたいと本気で思っている人達」であることは間違いありません。
こうして『Re:LieF』から振り返ってみると、響子が司への不器用な愛と献身で始まった小さいものが、司を救うまでにあやめたちも救っているというのはなんだか感慨深いですね。そこまで広げた伊砂ちゃんもすごいというか。
その不器用な愛が『Re:LieF』だとさらに「親友」へ伝播するわけですが…ここらへんはまだ『Re:TrymenT』では語られていませんね。なので詳しいことは避けましょう。
ユウの歯止めがきかなくなると『Re:TrymenT』でも起きたようにコールドスリープから抜け出せないよう計画を企てたのは、学習の積み重ねが行く末だったのでしょうか。
帚木日向子という影の主人公だったもの
さて、『Re:TrymenT』のAlphA編ではその多く新たに誕生したキャラや設定とともに埋もれてしまったものがあります。
それはOutlinE版でも述べたましたが、キャラの掘り下げです。本来『Re:LieF』では、個別ルートが帚木日向子、大館流花、海蔵もも、アイと分かれています。
その個別ルートにて、実はこのトライメント計画の実態、つまるところ集団コールドスリープによって仮想空間上で計画を終えることやら新田司の正体、アイやユウの正体などのヒントと答えをちりばめ、最終的にアイルートへ集約するように説明していくのですが
それ以外にも各キャラとの普通の交流シーンもちゃんと描かれています。これをルート分けずに行うと、どうしても省かれる内容が出てきてしまうのです。また、視点もOutlinE編で記載したように主観ではなく常に3人称視点です。それによって視点の移り変わりができず、キャラとしての印象が薄れてしまったキャラがいる。それが帚木日向子です。
正直『Re:TrymenT』を最初にやったころ、帚木日向子は面倒見のいいちょっとゆるりとしたキャラ、以外のことがつかめなかったのです。紗季ちゃんとの関連性でなんとか記憶には残ったので大丈夫でしたが。
ただし、『Re:LieF』では大きく異なります。そこでは、冒頭からOPムービーに差し掛かるまでは帚木日向子の主観で始まり、彼女が計画参加からの成長を確認できる話が描かれるのです。
なぜ計画に参加したのか。どう変わっていくのか。その確かな第一歩が描かれている。『Re:LieF』を語るうえで欠かせないシーンとすら言えるかもしれない。
そんなシーンをガッツリ切り離しているせいか、彼女の魅力はかなりそぎ落とされてしまっています。
アイは大筋のストーリーに食い込む設定のためそういったことはあまりないが、流花とももも日向子ほどではないが掘り下げはしきれていない。
ある意味、そこまで気になるなら『Re:LieF』やろうねって話なのかもしれないが、どうにもここらへんは難しいところです。
ただ、設定とシナリオを重きにおいてストーリーの初見理解が難しいことを考えるに、ここらへんは筆者としてはマイナスポイントかなと。お前日向子が好きなだけじゃろと?
確かに。反論あまりできない。
ともかく「美少女アドベンチャーゲーム」から「ビジュアルノベル」へ、と書いていますが、このときにシナリオの舵の切り方を変えたのかもしれませんね。わかりませんけど。
最後にざっと感想を
さて、ここまでストーリーの核心のところもさらっと触れてきましたが、最後は率直な感想を言いたいですね。
あやめ、翔、エアリーディング出来ないマン、文美、りっちゃん、八馬さんの6人組は間違いなくトライメント計画を確実にこなし、その上であやめと翔の最後の別れシーンで一気にきました。
ちょっとなきました。あの2人を見てユウにも思うところがあったりしたのかなというような描写もあったりしたので、OmegA編でどう活きるか期待したいです。
あと八馬さんと文美の「思想について」の話は読んでて面白いというか興味深いけどひととしては決して切り離せない感情というものが付きまとうからね~。難しいね~。みたいなことを考えループさせて楽しめた。
次に司、アイ、日向子、もも、流花、理人、ミリャの組。
この子たちは『Re:TrymenT』だけで楽しんだ時と『Re:LieF』で楽しんだうえでもう一度楽しむのと2回楽しめる。
日向子が多少割を食ってしまったが、その分なぜかミリャが大躍進を遂げてしまった。ミリャちゃんそこまでどうやって突き詰めたの… サーバの構成とかまで把握してるの恐い!
きみ『Re:LieF』ではドヤ顔でなんかどうでもいいことしてるかボケーっとしながらどうでもいいことしてるかのどっちかだったじゃん!紗季ちゃんに戻れる日向子ルートでなんとか名誉挽回出来たくらいじゃん!
とまあそんなことはさておき、ももちゃんの役割も3分の1くらい食ってまで大躍進を遂げたミリャちゃんとももちゃんと司くんがOmegA編でいよいよ活躍って感じなのかなって思います。
あやめたちの方のトライメント計画終了までに重点置かれてた感じあるので、『Re:LieF』組のターンが本格的にきそう。ただ、オンラインゲームでのソウトメ、ディア等々のくだりとかみてると
まだまだあやめたちの出番はありそうなので『Re:LieF』組が心配だという気持ちもあるが後は野となれ山となれ~
じゃなくて、OmegA編に期待でありますね。
では、次の編発売まで皆様お元気でありますよう。